軽量粘土について
軽量粘土は揮発性が非常に高いため、手早く形を整えないとすぐに固まってしまいます。これは、大半の軽量粘土に共通した特徴といえます。よって、乾燥した冬の季節より湿度の高い夏場の方が制作がしやすいです。ところが私の場合は、長年クリスマスカードや年賀状のために作品を作るのが通例となっているため、どうしても冬場の作業が増えてしまいます。そこで固まるのを遅くするために色々工夫した結果、今は卓上の小型加湿器を購入し、噴射される霧に当てながら作業しています。ハンドクリームなどを混ぜる方法もいいと聞きますが、固まる過程での形や色の変化が気になるので私はあまり使用しません。
後に「制作過程のご紹介」に記載している作品は「天使の粘土」という軽量粘土に塗料を混ぜたもので作成しています。白色の軽量粘土には種類がありますが、色々試した結果、この粘土は非常に扱いやすいです。「扱いやすさ」で一番大事なのは伸びや弾力性です。これがないと、小さな作品や細かい部分を作ることが困難になってしまいます。以前、100均の軽量粘土を試したことがありましたが、私が購入したものは全く伸びずブツブツ切れてしまう質感で、全く使い物になりませんでした。
次に大事なのは繊維質がどのくらい含まれているかです。繊維質が多いと作品の強度が増します。落としてしまったりと多少の衝撃を与えても折れたりしにくいということです。ところが、あまり繊維質が多いと表面が毛羽立ってしまい、型抜きなどの方法をとったときに断面がフサフサになってしまいます。適度な繊維質の量というのも大事な要素ですね。
最後に大事なのは、軽量粘土には消費期限みたいなものがあることです。商品には特にそのような日付の記載はありませんが、前述したとおり非常に揮発性が高いため、購入して1年くらい放っておくと、未開封の状態でも表面からカチンカチンに固まってしまいます。なので、まとめ買いするのであれば保管状態に気をつける必要がありますし、一番いいのは制作の都度購入し、余さないことでしょうか。
カチンカチンに固まってしまった軽量粘土を戻す方法
ネットで検索すると、水分を混ぜてジップロックなどに入れ、根気よくこねれば戻るといった記事を見かけます。私もこの方法を試したことがありますが、ハッキリいって半端なく体力を使います。粒の大きい発泡スチロールのような個体を一つ一つ指で分解するような作業です。私は途中であきらめて捨てました(涙)。そこで私が成功した方法をご紹介します。時間を要しますが体力は使いません。
開封した粘土を水に浸したキッチンペーパーでくるみます。それを同じくらいのサイズのジップロックに入れ、空気を抜いた状態で保存しておきます。日をおいて(4~5日くらいでしょうか)確認してみるとキッチンペーパーが乾いているはずなので、再度水に浸して保管します。これを三回くらい繰り返すと元にもどります。カビるのが気になるようでしたら冷蔵庫に保存するのが良いかもしれません。
ちなみに私は冬しか試したことがないせいか、カビたことは一度もありません。
着色について
カラフルな作品を作るのに着色する方法は二つあります。一つは「天使の粘土」のような白色の軽量粘土に塗料を混ぜる方法と、もう一つは「Hearty」といったカラー粘土を使う方法です。白色の粘土に色を塗ることだけは避けましょう。挙げた二つの方法と異なり、経年による色褪せがひどいはずです。
それでは二つの方法の特徴を書いてみます。
白色粘土に塗料を混ぜる方法ですが、塗料は水彩絵の具、ポスターカラーなどが良いと思います。この方法は塗料を混ぜて調整するため、カラー粘土を使用するより粘土を無駄に使用することがありません。カラー粘土で目的の色を作るには粘土同士を混ぜるので、迷っているうちにどんどん固まりが大きくなってしまいます(汗)。ただし元が白なので、真っ赤な素材を作りたいとしただけで大量の塗料が必要になってしまいます。特に、黒に関しては不可能といっていいでしょう。より黒を求めるならHeartyのBlackがおすすめです。
作品の規模と色合いで両者を選択するのがベストかもしれません。
- 小規模な作品を作りたい、色の淡い作品を作りたい場合は、白色粘土に塗料を混ぜる方法
- 大規模な(大量の)作品を作りたい、ハッキリした色合いの作品を作りたい場合は、カラー粘土を使用する
代表的な軽量カラー粘土の「Hearty」は、凝固するにつれて膨張したりひび割れをしやすい特徴があります。例えば、人の形を作りたいとし、胴体と腕を別々に作って乾かないうちにきれいに接着したとします。これが乾いてくるとつなぎ目が膨張して、接着面が少なくなってしまいます。また、作成したものを置いておくと、置いた接地面が乾燥する際にヒビが入ることが多いです。
「Hearty」を使用するときは、別の粘土を混ぜたり乾かすときは布の上に置くといった注意、工夫が必要です。ちなみに私は、のび~るエアクレイという粘土を混ぜてHeartyを使っています。
使用する道具のご紹介
ここで私が制作に使用する道具の一部を紹介します。まず下の写真左は言わずと知れた粘土ですが、注目していただきたいのが密封容器です。私はこのような小さな密封容器に粘土を入れ、さらにこれらを大型のタッパーに入れて保存しています。右は粘土を伸ばすときに使用する棒です(伸し棒)。材料の大きさなどで棒を使い分けています。
下の写真左も材料を伸ばすための道具ですが、こちらは製麺機になります。厚さを均一に伸ばしたいときには便利で、以前はパスタ用を使っていたのですが、今はこれを使用しています。右はアートルターと呼ばれる電動工具です。作品によっては乾いてから穴を開けたり削ったりする方が良い場合もありますので、そのようなときに使用しています。後に述べる掛け時計にあるバイオリンのf字孔などはそうですね。
下は自作の金型で、アルミニウムの板をカットし折り曲げて作っています。雪の結晶のようなものは、ページ最初にあるサンタクロースが乗っているトナカイの角に使用しています。大体は一つの作品を作るためだけに作ります。
以上が私が作品を制作する際に使用している道具の一部になります。ご参考までに。
コメント